格闘家のための山田式心拍トレーニング

格闘家のための山田式心拍トレーニング

強度の指標・心拍計
試合中の心拍数>ジムワーク時の心拍数?

「格闘技は数字じゃない。」
心拍トレーニングはスポーツ科学を取り入れた練習方法ですが、僕は学者でもフィジカルだけの指導者でもないので、数字信仰ではありません。
でたらめな減量しようが、タバコ吸ってようが、二日酔いで練習しようが強いやつが強いし、それが格闘技の魅力だと思っています。特に拳に制約されたボクシングは才能がものをいう世界。信じられないパンチ力や空間把握能力を持った人間はなるべくしてチャンピオンになっています。
しかし、9割9分の人間は天才ではないし、ありがたいことに努力を嫌う天才は多い(笑)
努力こそが我々凡人の「唯一にして絶対の味方」なのです。毎日毎日必死に追い込むこと。正しい方法でやれば、そのぶんだけ伸びる「フィジカル」を徹底的に鍛えることが上に行く条件なのです。
「お前に言われなくても必死に毎日練習してるわ!」
その練習は試合と同じくらい追い込んでいるのか?まず、試合はどれくらいの強度なのか見てみましょう。

ここで心拍計の登場です。
強度は心拍数に比例するので、心拍数を見れば自分が今どのくらいの強度で運動しているのかがわかります。実際の試合での心拍数を測るわけにはいかないので、「技術レベルは同じだがフィジカルに差がある選手同士」のスパーリングで、心拍の動きを見てみましょう。
heartbeat

最初はそれほどの差は出ませんがラウンドを重ねるごとに、強度に開きが出てきている様子がわかると思います。
鍛錬者は意外かもしれませんが、心拍数はすぐに高くなりそれをキープします。高いということは悪いことではなく高い強度でへた(←『ヘタ』のほうがわかりやすかもしれません)らずに戦えているということです。そしてインターバルではするすると心拍が落ちます。フィジカルができてない選手は心拍数をあげるというよりも、相手の強度に引っ張られてあげられてしまい、インターバル中も心拍は落ちず、ハアハアと息があがったまま次のラウンドへ。そして最後は乳酸でパンパンになり、ガードもあがらず手数も落ちて動きはスロー、たまらなく苦しいのに心拍数はずるずると落ちていってしまいます。 ここまでいくともう差は歴然で、パンチをまとめられて倒されてしまうでしょう。

ジムワーク中の強度はどのくらいなのか?
ガチの殴りあいの強度がわかりました。それではジムワーク中はどうでしょうか?例えば最大心拍数が190の選手がいたとします。でもジムでシャドウやバッグで追い込めと指示して心拍計を見てみると、160台ぐらいだったりする。本人は真剣で、スパーぐらい追い込んでるつもりなんですが、実は強度がうんと低いのです。 これはトップの選手でも、ほぼ全員にみられた傾向です。

だからといって試合と同じ条件のスパーを毎日やったら脳にダメージは残るし、体が壊れてしまいます。とくに試合だとアドレナリンがじゃんじゃんでてリミッターがはずれ、スパー以上の心拍数がでたりします。そうすると、基本160台で動いていた選手は、試合では疲れてまったく動けなくなってしまうのです。スパーリング並みの強度の練習がいかにできるかがフィジカル鍛えるポイントなのです。

高い心拍数を維持するならジムワークに限らず、ランでもいいのではないか?
脚などの大きい筋肉を使ったり、重いものを持って反復運動すると、強制的に心拍は上がるので、走りやサーキットで高い心拍を出すのは比較的簡単なのです。 アメリカでサーキットをやたらやらせるのはそういう理由です。
しかし、基礎体力をつくる最初の時期はいいと思いますが、走りやジャンプやバービーであげた心拍は、やっぱり『それはそれ』なのです。試合でする動きで心拍を上げられなければ、試合でのスタミナに直結しにくいのです。そのため山田式心拍トレーニングではシャドウやバッグで心拍を上げさせるのです。

では、どういうジムワークをすれば・・・・

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