【連載】痛みをとる技術【第9弾】

akiresu2私は本当に怪我が多い身体でしたので、当時はいろんな整形外科や、マッサージ、整体、カイロに行きました。整形外科に行けば、痛み止めと湿布と、温熱療法で、あとは2週間ぐらい安静にしてください、で終わりです。2度3度と同じ怪我を繰り返していたので、「どうやれば再発しないように予防できますか?」と、その都度医者に聞いたのですが「しっかりアキレス腱のストレッチをしてください」という回答は変わりませんでした。

そう言われたので、写真のようなストレッチを行い、膝を伸ばした状態と曲げた状態で、腓腹筋とヒラメ筋の両方にアプローチしていました。後ろの方の足のつま先の方向も、内側に向けた状態と、外側に向けた状態で行い、それ以上のヴァリエーションは他に無いだろうというぐらい、いろんなアキレス腱のストレッチを入念に行いました。しかしその後も、何度となくアキレス腱は炎症を起こしました。

 

「なぜか?」 私の足首は一般の人より固く、アキレス腱が伸びるより前に、足首の付け根が詰まってしまうからです。私が接した医者は一般論を話していたのでしょう。しかし一般論が通じない身体もあります。2度と同じ怪我を繰り返したくないという思いや、また全力でスポーツがしたい、という気持ちは誰よりも強く、本当に心からどうにかしたいと思っていた私に対し、単なる1人の患者で、その患者にだけ特別時間を割き、解決方法を考えるなんて、非効率的で面倒くさい、と思われていたのでしょうか?或いは、痛みの解決は出来ても、再発防止のトレーニングは知らなかったのでしょうか? 医者に限らずトレーナーも同じで、何十年に渡って、どれだけ多くの人を診ていたとしても、暗記した知識の範囲内でしか物事を考えないのなら、ほとんど成長はないと言っても過言ではありません。故に特例には誤魔化すだけの対応しかできないでしょう。それでも患者側に知識が無いので、私のように受け入れるしかないのです。今やそんな不誠実な医者はいないと思いますよー。いないと思いますけど、肩書だけ立派で、経験だけ長く、プライドと自己顕示欲が強くて、分からないことを分かりませんと言えないような医者がいるとしたら「ええかげんにせーよ」と言いたいのです。分からない事を分からないと言えない医者にしか出会えなかったことで、akresu私は一時期、運動機能を失い、自由に身動きがとれませんでした。しかし分からない事を分からないと言ってくれる医者に出会えたことで、今は失われた運動機能を取り戻し、大好きなスポーツを楽しめる身体に戻りました。プロアマ関係なく、私と同じように、バカ真面目に練習ばかりして、同じ怪我を繰り返し、医者や治療院に行っても、「どうも治らない」というような人がいたなら、それは私にとって心苦しいことなのです。痛みをとる技術がそういう人にまで届いて、身体の自由を取り戻すきっかけになることを、心から願っております。

因みにアキレス腱の炎症には、応急処置的に踵を高くすると、松葉づえ無しで、日常生活ぐらいは送れます。踵の角度が鈍角になることで、アキレス腱の圧迫具合が軽減されるからです。ただ、これで半日でも過ごすと、お尻の筋肉が固くなります。連動して腰も痛くなりますし、前腿にも負担が掛かっています。だからこそ気付けたことは、常日頃からハイヒールを履いている女性は、アキレス腱、お尻、腰、膝に、痛みや違和感を抱える人が多くなる、ということです。ファッションで短時間なら良いのですが、長時間履いた場合は、必ずセルフケアをしてください。

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